聖書 ルカによる福音書8 .39
「 『自分の家に帰りなさい。そして、神があなたになさったことをことごとく話して聞かせなさい。』その人は立ち去り、イエスが自分にしてくださったことをことごとく町中に言い広めた。」
ゲラサ人の、悪霊「レギオン(軍団)」に取り憑かれた男の癒しの出来事である。この人は、多くの悪霊に長年苦しめられ、悩まされ、傷つけられていた。だが、彼を助ける者はだれもおらず、誰からも見捨てられ、狂人扱いされて、完全に社会から孤立していた。
そこへ、主イエスが来られた。この人を癒すために。そして、この男に取り憑き、悩ませていた、おびただしい数の悪霊をすべて追い出し、すっかり癒してしまわれた。主イエスの勝利である。神の栄光が、この男の上に、現されたのである。
ところが、この地方の人々は、主イエスのことを恐ろしがるだけで、信じようとはしなかった。そして、この地方から出て行って欲しいと言う始末である。なんという不信仰だろうか。こういう頑固なところが、私たち人間の罪なのである。
しかし、主イエスはこの地方の人々をお見捨てにならなかった。この男が、癒された喜びと感謝のゆえに、主イエスについていきたいと願ったが、主イエスは彼に、「自分の家に帰りなさい。そして、神があなたになさったことをことごとく話して聞かせなさい」と言われたのである。それはしかし、「ついてくるな」という意味ではない。そうではなく、彼に新しい使命をお与えになって、この地で主イエスの宣べ伝えることによって、主イエスの弟子としてついてくることをお命じなったということなのである。その地の人々を一人でも救うためである。
主イエスのあふれるほどの愛が描かれている、聖書の物語の一つである。
祈りに覚える人 H・T姉
祈りに覚える教会 日和佐教会 徳島県海部郡美波町 李振一牧師 (https://uccjshikoku.wixsite.com/shikokukyouku/hiwasa)
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