聖書 ルカによる福音書7 .14
「そして、近づいて棺に手を触れられると、担いでいる人たちは立ち止まった。イエスは、『若者よ、あなたに言う。起きなさい』と言われた」。
ナインのやもめの一人息子を生き返らせる、主イエスの印象深い出来事が記されている箇所である。今日は、ここで主イエスが「棺に手を触れられ」ているということに注目したい。
死は汚れと考える思想は、昔からどこにでもある。旧約聖書にも、死体に触れた者は7日間汚れると明記されている(民数記19.11)。だから、身内でもない限り、人が遺体や棺に手を触れるようなことは、まずしない。しかし、主イエスはそれをなさった。だから、この亡くなった息子の葬列に加わっていた者たちは驚いて、思わず立ち止まったのであろう。
それは、主イエスが死の汚れというものを全く気にしていなかったからなのではない。むしろ、主イエスこそ、死の本当の恐ろしさ、汚れの本当の意味を深く知っておられたに違いない。しかし、だからこそ、あえて手を触れられたのだと思う。なぜか。この息子の死の汚れを、ご自分が引き受けるために他ならない。
彼の罪も、汚れも、死に支配されたその呪われた体も、すべて主はご自分のものとなさるために、この世においでになり、そして、ご自分もろとも十字架につけておしまいになり、そしてあの尊い御血潮によって、すべてのものを清めて下さった。こうして我々をその罪の呪縛から解き放ってくださったのである。
牧師として葬儀をするとき、遺体を向き合う。その体に手を触れることも多い。その時、主イエスがその体を愛おしく思い、ご自分のものとして清めて下さったことをいつも思わされる。こんなにも感謝すべきことはない。
祈りに覚える人 H・T姉
祈りに覚える教会 徳島西教会 徳島県徳島市 湯本哲史牧師(https://uccjshikoku.wixsite.com/shikokukyouku/tokushimanishi)
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